見よっ 古兵烏野の復活だ
街中がハロウィン一色だなーと思いつつ…本日は久しぶりの観劇デーでした。
ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!! “烏野、復活!”』
元々原作のマンガもアニメも大好きだった作品、約1年前くらいに初演を観に行きましたが今回はその新作。
「そもそも舞台でバレーボールってどうやって表現するんだ!?」という感じなのですが、これがまたすごい技術と演技で再現できるものなのです。
舞台というものはイマジネーションの世界なので、ドラマや映画とは違い、観ている人が演技だったり舞台上での表現を自分の中で「あ、こういうのを表しているんだな」って理解して補完して完成するものだと思っています。
この舞台もそういうものをギュッと詰め込んだ上で、さらにプロジェクションマッピングや様々な手法による演出で、原作の雰囲気を崩さず、かつ舞台ならではの良さを十分に引き出しているなという感じがしました。
今回は出演者の人数も増えたということもあり、全員が舞台上に出てくると数の圧力がすごいなと思いました(笑)
しかもバレーボールの作品ゆえに身長が大きい役者が多いんですよね。すごい迫力ですよ…。
今回の席が前から2列目のほぼセンターというところで、舞台を少し見上げるようなかたちだったのですが、それにしてもでかい…(笑)
今まであんな近くで観劇したことなかったので、役者さんの表情とかしっかり見れて、とても良かったです。(でもこの作品は舞台演出上、後方席の方が映像が良く見えて良いかなとも思います)
まぁ、これから観る人がうっかりこのブログを読んじゃったらネタバレになっちゃうので、あまり詳細には書きませんが、まずは、約2時間半の舞台、ずっと動き続ける役者さんの体力がすごいと思いました。今回は前回よりもアクロバティックな演出が多かったし。
そう!そのアクロバティックなパフォーマンスなのですが、主人公のライバル校である音駒高校(通称:ネコ)はその名のとおり「ネコ」をイメージした動きが多いんですよ。
しなやかでレシーブの上手いチームという設定から、本当によく動く。ロンダートだってやっちゃうすごさ。かっこよかった!!
逆に伊達工はブロックが強く“鉄壁”と呼ばれていることから、鉄壁をイメージした重厚感のあるダンス(多分クランプ)中心で、「この音楽、バレーというよりサッカーみたいだなww」と思ったのはここだけの話(笑)
そしてどちらかというと可愛いキャラの伊達工・リベロの作並くんの男気溢れるダンスを見れて嬉しかったのはここだけの話
1つ1つの演出が各学校や登場人物の特長を掴んでいて、原作を知っている人がついつい「ニヤっ」としちゃうようなセリフだったり演出があるのがたまらんです…。
そうそう、原作を読んでる方はご存知かと思いますが、青城のセッター及川さんは舞台になっても及川さんでした(笑)
あと、この舞台の一番の魅力は舞台の使い方。
大道具、小道具、映像、場転…すべてが「どこからそんな演出を思いつくんだ!」と言いたくなるほど、こちらの想像を超えたところをくる。
一応、演出経験をしたことのある私からすると、あの、真っ新な舞台と、文字ばかり並んでいる台本から、これだけの演出を考えつくのが不思議でならないのですよ(笑)
お客さんが劇場に入ると、もう舞台セットがあって芝居が始まれば登場人物たちが、さも当たり前のように舞台上を動いているわけですが、あれも全て演出家や役者が考えて芝居をつけているわけです。その真っ新な状態から1つずつ作り上げていく過程を知っている私からすると、どこにそんなことを思いつくのかと…。笑
舞台ならではの表現方法にアニメのような演出、全てを複合したものが、この舞台ハイキュー!!というものなのかなと思いました。
あと、主役校である烏野高校のメンバーは再演から引き続き同じメンバーで演じていたこともあって、チームとしての団結感とか、空気感が圧倒的に強かったように思います。
こういうチームものの作品はアニメも舞台も、役者同士の関係性が芝居を通して伝わってくるのもまた、魅力だったりするんですよねぇ…。
いや~、本当に面白かった。心の底からワクワクした!!
これはやっぱり映像じゃなくて生で観るからこそ良い作品なんだろうなって感じ。
そういえば、主人公の日向が県大会の会場に着いた時に「エアサロンパスの匂い!!」って言うシーンがあるんですけど、私も劇場に入った時のあの独特な匂いが大好きでして(笑)
自分にとって「あーこの匂い懐かしいな。」とか「好きだな」って感じるものってありますよね。
私は、劇場に入った瞬間にするあの独特な匂いを嗅ぐと演劇部時代のことを思い出してとても懐かしくなります。
現役時代は、ただ単にお芝居に興味があって入って、結局裏方仕事をやって、やっと役者として舞台に上がれるとなったら、それはそれで色んな壁にぶち当たって…。
引退前の舞台で代役を頼まれた時も、その前の舞台での不完全燃焼が怖くて代役を断ったことがあったんです。
正直、成績が落ちすぎて親に怒られて部活どころじゃなくなってしまったというのもあったんですけど。ただ今思えば、あの苦しさから逃げたかっただけだったのかもしれません。
顧問の先生に言われた「生み出す苦しみ」という言葉は多分、一生忘れないんじゃないかな。
当時は色々な葛藤の中、稽古をしていました。役者として舞台に立った回数はそんなに多くないけれど、自分は役者に向いてないと、演劇が嫌いになる時もありました。
でも現役から離れて7年近く経った今、こうして舞台を観に行くと自分の中で「あぁ、自分もやりたいな」と強く思うあたり、やっぱり私は芝居が好きなのだと思います。
12月にも2本、舞台を観に行くぞー!(お財布のことは気にしない)
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